【参院選・激戦区ルポ】維新の人気凋落で吉村代表は本拠地・大阪でヒートアップ 現職辞退でドタバタ自民も苦戦中

【参院選・激戦区ルポ】維新の人気凋落で吉村代表は本拠地・大阪でヒートアップ 現職辞退でドタバタ自民も苦戦中国民民主は「いい勝負ができそう」
公明党は現職の杉久武氏を擁立。メディアなどの分析を総合すると、維新の1議席と公明は固そうな情勢だ。残る2議席を維新、自民、立憲民主党、国民民主党、参政党の候補らが競い合っている。立憲民主は橋口玲氏、国民民主は渡辺莉央氏、参政党は宮出千慧氏を擁立している。
国民民主は「山尾ショック」で支持率が低下してきたが、選挙戦初日の渡辺氏の街頭演説に行くと、若者を中心ににぎわっていた。
「山尾ショックでかなりの支持を失ったが、底を打った気もする。『103万円の壁』を訴えると、今も反応がいい。渡辺氏は30歳の女性医師で、フレッシュさがある。いい勝負ができると思う」(渡辺氏の陣営スタッフ)
一気に支持を増やしているのが「日本人ファースト」を押し出す参政党だ。代表の神谷宗幣氏の政治家としての出発点が大阪府の吹田市議だったこともあり、大阪は東京選挙区と並んで重点区だという。
選挙戦初日、宮出氏は、維新から移って全国比例で出馬した梅村氏と並んで支援を訴えた。だが、参政関係者がスマートフォンを手にさえない表情だったので聞くと、東京・銀座でマイクを握った神谷氏が第一声で、
「高齢女性は子どもを産めない」
と発言して大炎上しているとのこと。
「いや、初日からこんな炎上になるとはびっくりだ。大阪は神谷氏の地元といっても過言ではない。『山尾ショック』の二の舞は避けたいが……」
と心配そうだった。
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大阪選挙区ではこのほか、共産党の清水忠史氏、れいわ新選組の椛田健吾氏、保守党の正木真希氏、NHK党の武内隆氏、諸派の稲垣秀哉氏、諸派の橋口和矢氏、諸派の上妻敬二氏、諸派の吉野純子氏、諸派の平理沙子氏、諸派の瀬戸弘幸氏、無所属の東修平氏、無所属の世良公則氏が立候補している。目標はわずかに改選議席プラス1
今回の参院選で、維新は選挙区に15人、比例区に13人の計28人の候補者を擁立したが、吉村氏が目標としたのは「6議席以上」。改選議席が5議席なので、わずかにプラス1。大阪選挙区の2議席確保を前提にした場合、他の選挙区・比例区あわせて4議席という遠慮がちな目標だ。
前出の維新の地方議員はこうぼやく。
「3年前の参院選と比較すれば、いかに維新の人気が急降下しているのか、街頭演説を見ても身につまされる。今回の参院選では、選挙区でとれそうなのは大阪くらいで、東京や兵庫も大苦戦。選挙区で議席がとれないと比例の得票数にも直結する。そうなれば、吉村代表の責任問題に発展し、党内抗争にもなりかねない」
■太田房江氏の辞退で候補決定は直前
直近3回の参院選で、維新以外の2議席は自民党と公明党が「指定席」のように獲得した。だが、全国的に苦戦が予想される自民は、大阪でも厳しい情勢だ。
自民は19年の参院選で当選した現職で、元大阪府知事の太田房江氏を公認する方針を5月半ばに決めていた。しかし、太田氏は旧安倍派で「裏金議員」として名前があがり、それ以外にも「政治とカネ」の疑惑が週刊誌で報じられた。太田氏は「体調不良」などを理由に5月26日に自ら出馬辞退を表明。自民はそこから緊急公募をし、元衆院議員の柳本顕氏の擁立を発表したのが6月11日。7月3日の公示日まで1カ月もないタイミングだった。
柳本氏は元大阪市議で、過去に2度、自民党から大阪市長選に出馬している。だが1度目の15年は吉村氏に、吉村氏の辞職を受けて行われた18年は維新の創設者の松井一郎氏に敗れている。
「柳本氏は大阪市議として、手腕には定評がありますよ。維新が提唱した大阪都構想には、反対の急先鋒として名をあげました。でも、大阪市長選で2度も負けており、ここという勝負強さがない。出馬辞退した太田氏は府知事の経験があってそれなりの人気もあったが、柳本氏はそこに届かない。街頭に立つと自民党への逆風がすごいと感じます。昨年の衆院選大敗のきっかけになった裏金事件も、まだまだ批判が強い。政権与党なんだから定数4なら2人を立ててもおかしくない。それを1人に絞って勝てなかったら、石破政権が吹っ飛んでもおかしくないですよ」(自民党幹部)参院選スタートの7月3日、大阪・ミナミの繫華街で第一声のマイクを握ったのは、日本維新の会の代表で大阪府知事の吉村洋文氏。
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「あまりにも負担が大き過ぎる社会保険料を下げていく努力が必要です。これは全世代にとっての問題なんです」
と言いながら、石破茂首相が公約に掲げる「全国民への2万円給付」に触れると、
「今、自民党がやろうとしてるのは選挙の前だからちゅうことで、2万円の現金を配ります、皆さんよろしく、でしょう。こんなの買収じゃないですか」
と激しい批判を展開した。現場にきていた維新の地方議員が驚いた様子で話す。
「ここまでヒートアップする吉村さんも珍しい。それだけ、今回の参院選がやばいってことの裏返しだ」
維新の“本拠地”大阪選挙区では、直近3度の参院選で、改選数4のうち2議席を維新が確保してきた。だが、今回は厳しい状況だという。
今回改選となる6年前の2019年参院選・大阪選挙区で、維新は梅村みずほ氏がトップ当選、東徹氏が2位で当選した。だが、梅村氏は4月にあった党内の参院選候補を決める予備選で敗れ、党のガバナンスを批判して離党。参政党に移籍し、今回は参政の比例区から出馬している。東氏は昨年10月の衆院選にくら替えして当選。維新は現職候補がいなくなり、予備選で選ばれた、いずれも大阪市議だった佐々木理江氏と岡崎太氏の新顔2人が立候補し、議席の確保を目指している。
前回22年の参院選で、維新の勢いは大阪にとどまらず、全国比例で野党トップの約780万票を獲得し、自民党に次ぐ8人を当選させた。しかし、今やその勢いはしぼんでいる。昨年の衆院選では、大阪でこそ小選挙区で全勝したものの、全国的には議席を6減らす惨敗だった。
3日の吉村氏の第一声でも、かつてのような熱気が聴衆から感じられなかった。かつては、吉村氏が演説するとなれば、1時間以上前に現場に到着しなければ撮影ポジションが確保できない状況だったが、今は聴衆も減り、ぎりぎりのタイミングでも十分だった。#viral #viralvideo #芸人 #ニュース #boyband #kpopgroup #btsmember #trending #kpop