川勝知事の“職業差別”発言に苦情殺到 「発言に問題ない」と主張も…突然の辞意表明【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年4月3日)
静岡県の川勝平太知事(75)が県庁の新入職員への訓示のなかで、職業差別とも受け取れる発言をしたことを受けて、2日の夜に記者会見を行い、その場で突然辞意を表明しました。
■県には430件もの苦情や批判が殺到
事の発端は、1日の入庁式で行った新入職員への訓示でした。
川勝知事
「県庁というのはですね、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違ってですね、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」
静岡県の川勝知事は77人の新入職員の前で、特定の職業を差別したとも受け取られかねない発言をしました。
県には430件もの苦情や批判が殺到。2日、急きょ会見が開かれました。
川勝知事
「職業差別は皆無です、ありません。職業に貴賤(きせん)はないという基本的な考え方ですね。きのうの新規県庁職員として入庁された方々への歓迎の言葉がですね、また励ましの言葉がこんなことになったというか、何か問題発言があったかのごとき状況になって、本当に驚いています」
川勝知事は「発言自体に問題はない」との認識を示しました。真意については次のように話しました。
川勝知事
「公務員としてはですね、公僕として人に役に立つようなことを考えてしなくちゃいけないと。従いまして、しっかり勉強しなくちゃいけませんと。知性を磨いて下さいと。それはですね農業をやってるとか商売をされてるとか、あるいはモノづくりをされている方と違う仕事ですから従ってしっかり知性を磨いて下さいと。職種が違うということを言っただけでございますが、もしですね、そのことで何か不愉快な思いをされたということであれば誠に申し訳なく思います」
記者
「それは我々だったり県民だったりの受け取り方が悪いと言っている?」
川勝知事
「そうではありません。人はそれぞれ受け取り方があると思いますね。今、私が申しましたように、どのような職業に対してでもですね、それに対して違いはあると、職分が違います。しかし、職の貴賤というのはないというのが基本的な考え方でございますので、そういう流れの中で発言しております」
記者
「いや、そういう流れじゃなかったです」
川勝知事
「そういうふうに考えを持っておりますので、そういう流れで発言したつもりです」
記者
「では、この発言は不適切でないと?」
川勝知事
「不適切ではないと思いますが、一部そこのとこだけ取ればですね、皆さんがおっしゃってるような、職業差別に落とし込むというふうなことができる発言であったかもしれませんね」
■川勝知事「県民の誤解は解きたい」
川勝知事は謝罪はしたものの、批判が広がったのは「報道の切り取り方だ」と主張しました。
記者
「知事が言われた発言をそのまま切り取ることなくお伝えしたうえで、県民の方はそのようにとられている」
川勝知事
「いや、切り取られたんだと思いますね」
記者
「特に途中に中略とかなく切り取っていない…」
川勝知事
「いや、文章全体の流れ、脈絡から外れてるんじゃないですか」
記者
「野菜を売ったりとか牛の世話をしたりという文脈が出るのはここだけでして…」
川勝知事
「それは違う職業であるっていうことの例示ですね」
記者
「違う職業であると、はっきり明示されなかったので、県民の方もそれを受け取った時に『知性が低いと言いたいんですか?』と…」
川勝知事
「とんでもない話ですよ。それはもう誤解もはなはだしいというか曲解もはなはだしいと思います。しかし、そういう人がいたということは誠に残念で、ぜひその誤解は解いて頂きたい」
川勝知事は「県民の誤解は解きたい」と語りました。
■川勝知事の発言…度々問題に
しかし川勝知事の発言を巡っては、これまでも度々、問題になってきました。
川勝知事(2021年6月)
「8割ぐらい女の子なんです。11倍の倍率を通ってくるんですから、もう皆きれいです」
自らが学長を務めていた大学の学生について、女性の学力と容姿を結びつけるような発言をし、のちに謝罪しました。
選挙の応援演説で浜松を訪れマイクを握ると…。
川勝知事(2021年10月)
「こちら(浜松市)は食材の数でも439ある静岡県の(食材の)うち3分の2以上がここ(浜松市)にある。あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」
「御殿場市にはコシヒカリしかない」と発言。“地域差別”との声も上がり、多くの批判を呼びました。
■「今度間違ったら辞職する」と発言も再び…
これらの不適切発言を問題視した県議会では、辞職勧告決議が可決される事態に…。
川勝知事(2021年11月)
「極めて深刻に受け止めております。来年は生まれ変わったような人間になってみようと富士山に誓いました」
不適切発言を巡っての自身の進退については…。
川勝知事(去年7月)
「間違いはすることがあるかと思いますが今度、間違うようなことをして人様に迷惑を掛ければ辞職するというふうに申し上げている」
「今度、間違うようなことをしたら辞職する」と発言していた川勝知事ですが、先月には再び…。
川勝知事(3月)
「磐田ってところは文化が高いんですよね。あそこは浜松より元々高かったわけでしょ」
今度は、浜松市民を見下しているともとられかねない発言が。さらに…。
川勝知事(3月)
「藤枝東は、サッカーするために入ってきている。学校もボールを蹴ることが一番重要なことなんですよ。勉強よりも何よりも」
県議会ではこれらの発言が再び問題視されていました。
■県民「全然反省していない」「もう頃合いかなと」
川勝知事の度重なる不適切発言に静岡県民はこのように話しました。
静岡県民
「御殿場に対してもコシヒカリ問題もありましたし、あの人全然、反省していないのかなという感じがします」
静岡県民
「もう差別的な発言としか思えないし、どんな仕事も私的には平等だと思っていて、とっさにそういう言葉が出ちゃうということは、根底にあるものなのかな思って。人の上に立つ人がいう言葉ではなかったと思ってしまいます」
静岡県民
「今までね、すごく不適切な発言ばっかりだったので、こっちも飽き飽きしてたんですね。もう頃合いかなという感じでね」
■突然の辞意表明「6月の議会をもって…」
「今度間違ったら辞職」と話していた川勝知事。記者から今後の対応を問われると…。
川勝知事
「ここまでですね、こういう風潮が瀰漫(びまん)していることに対しましては憂いを持っています。そして、どうしたらいいかなと思っていまして、よく考えたんですけれども…準備もありますからね…6月の議会をもって、この職を辞そうと思っております…。以上です」
記者
「すごく重要な話じゃないですか!」
「真意を言って下さい!」
「きちんと説明してください!」
川勝知事は、リニア中央新幹線の計画について、地下水などへの悪影響を懸念して工事を認めてきませんでした。
先週、JR東海は2027年に目指してきた品川・名古屋間の開業を断念したばかりです。
JR東海関係者
「辞任の気配は全くなかった。今、驚いていたところです」
国交省関係者
「突然の話なのでびっくりだ。少しでも前に進むような方が後任になることを期待するばかりだ」
川勝知事は、新入職員への訓示でこんなアドバイスもしていました。
川勝知事
「心は素直で嘘偽りを言わないと、これとても大切なことです。言葉遣いは特に大切です」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年4月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp