【産業組織心理学②】心理学から学ぶ令和時代のキャリア

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キャリア教育も,産業・組織心理学の範囲です。消費者行動や,人事採用も含まれます。そう考えると,産業・組織心理学って,とっても身近な内容ですよね!特に今回は,岩野がキャリアプランニングに熱く物申します!

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目次
0:00 戦後の労働三法
3:11 戦後の色んな問題
8:36 産業・組織心理学の研究テーマ:前編
16:05 キャリア形成に物申す!
21:44 研究テーマ:後編
25:15 産業・組織心理学会の部会
31:44 本日のまとめ

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演者 岩野卓 認知行動コンサルティングオフィス
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編集 あおきしゅんたろう 福島県立医科大学医療人育成・支援センター
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Twitter: https://twitter.com/airibugfri
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#産業・組織心理学 # 働き方 #歴史 #産業革命

参考文献
・ 日本産業・組織心理学会HP  https://www.jaiop.jp/
・ 大芦治 (2016).心理学史 ナカニシヤ出版.
・ 岡村一成(1994).産業・組織心理学入門 福村出版.
・ Quick, J. C., & Tetrick, L. E. (2002). Handbook of occupational health psychology. American Psychological Association.
・ サトウタツヤ(2021).臨床心理学史 東京大学出版会,東京.
・ 島田修・中尾忍・森下高治(2006).産業心理臨床入門 ナカニシヤ出版.
・ 山口裕幸・金井篤子(2007).よくわかる産業・組織心理学 ミネルヴァ書房.

BGM MUSMUS, DovaSyndrome

日本は戦後敗戦からすごい勢いで復興しました。高度経済成長です。GHQがテコ入れしたというのもあるんですけど、朝鮮戦争の関係で戦争特需と言われる製造業を中心に輸出が多くなりました。問題だったのは、働くシステムなんです。戦前の情報というのは基本的には、その戦時中に物をどんどん作れと言われたんですけれど、それだと労働者に対しては不利益で、製造している経営者側だけが大量に利益を得て、働いている人たちは貧しいままで、働いても生活がなかなか良くならないという状況になっていました。

それはまずいということで、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法が出てきました。
労働基準法というのは働く時のルールを決めることです。例えば、1週間に2日間休む、残業は何時間以上はダメということです。これは企業側を縛る法律です。無茶なことを要求しないでくださいというものです。労働組合法というのは、労働者が組合を作って団体交渉していいということです。労働者側が団体で交渉やストライキもできます。労働関係調整法というのは、交渉のルールを作るものです。これで、企業側だけが強くて労働者が搾取されている状況をフェアにしないとお互いに長期的に持続可能ではないということで作られた法律です。

その後、日本では結核対策などから、身体的な労働者の健康も重視されるようになりました。精神衛生や安全配慮義務などが出てきました。例えば、NTTで産業カウンセラー制度が1954年にできました。その他、いくつかの事件がありました。例えば、飛行機が墜落してしまった時にパイロットが精神疾患だったのではないかと言われたり、心理相談に関する資格がなかったらどうするかということだったりします。

日本はやはり過労死の話です。過労死というのは英語でオーバーワークです。過労死に対する対策として、例えば残業時間の上限を決めましょう、80時間や100時間という目安があり、それを超える企業は注意されます。公務員でも残業時間が150時間になっていて、これはまずいと最近のニュースになっています。

国としては、厚生労働省などを中心に、メンタルヘルス対策や復職のガイドラインなど、いろんなものが作られています。社会のニーズに合わせて産業組織心理学のサービスが拡充されています。現代では健康経営が重要になっています。これは従来の日本の業態が戦後の高度経済成長時代の人口動態に基づいているからです。今で言うとインドや南アフリカがそうです。この状態は基本的に仕事が多くあれば皆若くて元気に働けるが、高齢者や病人の割合が労働人口に対して小さいので、そこにかける財政の負担は少なかったです。しかし、現在は全く違います。少子高齢社会ですから、人口動態が逆三角形になりかけています。それでは従来のように24時間ビジネスができない。社会保障が大きすぎて、しかも高齢者の平均年齢が伸びている。高齢者の認知力や体力も若返っているので、定年退職年齢は今65歳で、今後も上がるでしょう。高齢者の医療費負担に関しては収入だけでなく資産に基づいて多めに払っていく形になっています。

これから働き方がどんどん変わるんです。終身雇用が崩壊しているので、キャリアコンサルタントや転職エージェントが必要になってきます。私もそういう風に乗っかっているタイプです。大学を辞めて心理学をもっと使って、より多くの人に自分に合った働き方、それが自分に合ったライフプランを選択したいと思っています。

研究対象やカリキュラム上のテーマについて紹介します。公認心理師という国家資格のためのカリキュラムに入っています。最初に出された時の法律で、心理学の発展科目というのがあります。これは基礎と実践というのがあるんですけど、実践部門に入っている学問です。実践部門では、1つには職場における問題、職場問題、心身の不調だとかハラスメントだとか、いろんな問題があります。それからキャリア形成に関することを含め、それに対して必要な支援をするというものです。

日本心理学会のシラバスだと、産業組織心理学とは何か、産業組織分野の制度法律規則、これはなぜ必要かというと、さっき言ったように労働者が負けちゃうからというのがたくさんありますね。産業組織分野の活動の倫理、そこで守秘義務を守ろうとか、個人のプライバシーに対してどうするか、それから倫理的にやってはいけないこと。この辺りは医療関係者は結構学ぶんですけれど、それ以外の職種の人って結構分からない、知らないってことがあるので、例えば情報開示をどこまでするか、例えば会社側からそこに相談に行ってる人の相談内容を開示せよって言われた時にするのかしないのかとか、そういうことに関係する話です。

作業改善、安全衛生、安全衛生すごく大事なんですよ。安全配慮義務というのがありまして、その中にメンタルヘルスに関するものもあるんですよ。中央労働災害防止協会っていうところがありまして、そこで労働者の安全に関するいろんな研修とか資格を出してまして、私も心理相談員という資格、そこで取ってるんですけれど、それは安全配慮義務の中のメンタルヘルスの安全を守るっていうところです。

例えば、アスベストだとか、作業環境だとか、照明だとか、粉塵だとか、騒音だとか、それから高いところからの落下といった多くの要素がありますが、その中の一つにメンタルヘルスが含まれています。心理学と言えばストレスを想像しますよね。職業ごとのストレスは結構あります。このジャンルでは、例えば、アメリカ、ヨーロッパにおける産業健康心理学といった分野があります。このジャンルでのストレスは、例えば、一般的な勤務者と、SEのようにパソコンを多用する人とでは少し違います。専門職は他の職種よりも長時間労働が許可されやすく、その結果、長時間労働やずっと座っていることが腰痛や睡眠衛生にネガティブな影響を与えます。

教員のストレスはよく出てくる話題です。なぜ教員のストレスが多く取り上げられるかというと、公務員はデータの取得が容易だからです。警察官や自衛官の場合はデータの公開が難しいですが、教員は違います。全数調査がしやすく、データ取得が容易で公表しやすいのです。民間企業では、そうした民間調査の許可が出ないとデータを開示できない点があります。例えば、教員のデータではサービス残業や部活動による時間外の負担が多いことが指摘されています。また、国から様々な業務を任されるようになったことで、授業外の業務が増えているといった問題があります。職業ごとにストレスが異なるため、この分野は非常に興味深いです。

次に、人事、ヒューマンリソースマネジメントです。この分野は働いている方にとっては特に興味深いのではないでしょうか。人事ではどのような人を採用し、どのように扱うかということが重要です。一時期、血液型で判断するといった話がありましたが、私はそれをあまり適切だとは思いません。面接以外で何かのパフォーマンスを見る方が適切だと考えています。それがキャリア形成です。キャリアは特に今重要だと思います。日本の産業雇用形態が変わってきたことが一つの要因です。私は大学で産業組織心理学を勉強し、授業で担当している間に自分でももっと調べなければならないと思いました。例えば産業心理学会に入会したり、産業組織関係の論文を読んだりしています。2020年のコロナ禍からキャリアについて本格的に勉強し始めました。驚いたのは、もはや終身雇用がメインではないということです。早期退職の促進、転職エージェントによるキャリアプランのマッチング、個人事業の開業、副業などが増えています。

私自身も、大学での仕事が終身雇用のメインではないことに気付きました。国からの助成金の減少により、人を雇えず、仕事が増えて学内業務がメインになり、研究ができなくなりました。これは私だけの問題ではなく、一般の学生たちにも関わる問題です。日本は格差が大きくなっており、普通にしているだけでは状況が悪化していきます。65歳での退職後のキャリアを真剣に考えなければならないと思いました。

コミュニケーションは、私がよく聞かれるトップ3の内容の一つです。特に、ジェネレーションギャップが多いと言われています。25歳以上の方たちをZ世代、10代をアルファ世代と呼びます。世代の違いによって、例えば、飲みニケーションなどのコミュニケーションの取り方が変わってきます。リーダーシップに関しても話が出ました。日本でもリーダーシップに関する研究は多く、PM理論、パフォーマンスタイプのリーダーシップ、マネージメントタイプの人間関係を調節するといった2つの軸があると言われています。

組織成員の心と行動も重要な分野です。そして、柔軟な人的資源管理やジョブ型雇用、ゲーミフィケーション、COVID-19とワークライフバランス、事業者と消費者の双方向コミュニケーションなどがあります。

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